気のゆるみが最悪の結果に…
単純ミス相次ぎ痛恨の2失点
韓国代表がホームで痛恨のドローを喫した。5月31日、ソウル・ワールドカップ競技場で行われた2010年ワールドカップ3次予選・ヨルダン戦。韓国は前半39分に決まった朴智星の先制点と後半開始2分で得たPKを朴主永が決めて2点のリードを奪ったが、72分と79分にヨルダルのFWハッサン・マホムドに立て続けにゴールを許し、2-2の引き分けで試合終了のホイッスルを聞かねばならなかった。
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| 勝ち点3を得られなかったことはとても残念だと語る許丁茂監督 |
試合終了と同時に、まるで勝ったかのように歓喜するヨルダンの選手たち。一方の韓国の選手たちは呆然とその場の立ち尽くし、DFのイ・ジョンスはピッチに腰を落としたまましばらく動けない。その光景が韓国代表選手たちのショックの大きさを物語っていた。
試合は前半から韓国ペースだった。
この日、許丁茂監督が採用したのは4-2-3-1。ディフェンス・ラインは左から李栄杓、イ・ジョンス、クァク・テフィ、オ・ボムソクで形成され、中盤の中央にはキム・ナミルとチョ・ウォニ。攻撃はワントップの朴主永の下にポジショニングした安貞桓を起点にしながら、左の朴智星と右のイ・チョンヨンがときおりポジションを変えながら自在に攻めていくスタイルで、引いて守りを固めてきたヨルダンの守備網を何度も崩した。
前半のシュート数は韓国10本に対し、ヨルダンは0本。この日が初代表のイ・チョンヨンは20歳とは思えない落ち着いた動きとアグレッシブな突破で何度もチャンスに絡み、久々に代表復帰した安貞桓も労を惜しまず動きまわってチャンスメイクに徹した。ゴールへの執着心の強さゆえにときおり独りよがりのプレーに走ってしまうような、かつての安貞桓ではなかった。
そして、朴智星だ。前回3月の南北戦では周囲との呼吸が合わず空回りする場面もあったが、この日は開始からチームにフィットし、ボールにも積極的に絡んでチームの攻撃をリード。38分には朴主永のコーナーキックをイ・ジョンス、イ・チョンヨンが頭でつなげて、最後は朴智星が右足で押し込んで先制ゴールが生まれた。5万3411
人の観客で埋まったソウルW杯競技場がもっとも沸いた瞬間たった。
後半になっても韓国の勢いは衰えず、開始1分にはチョ・ウォニが中央突破。微妙な位置で倒されてPKを得ると、これを朴主永が落ち着いて決めて、韓国は2点のリードを奪った。この時点でヨルダン代表のポルトガル人指揮官マルティノ・ビンガーダ監督は、「今日の試合はこのまま韓国の勝利で終わるな」と思ったという。
しかし、この2点のリードが韓国の選手たちにとっては気の緩みになったかもしれない。許丁茂監督も「後半の2失点は体力的な問題もあったと思うが、選手たちが勝利を確信してしまって油断や慢心してしまったことも原因。2失点とも理解できない失点だった」と、顔をこわばらせた。
実際、途中交代でピッチに送り込まれたヨルダンFWハッサン・アブデラ・パタに許した2失点は、いずれも一瞬のミスから喫したものだった。
最初の失点は、自陣左サイドからのクロスからハッサンが放ったシュートをGKキム・ヨンデが防ぐが、こぼれた球をふたたびハッサンにシュートを打たれ、それが最初の失点になった。続く2度目の失点は一方的に攻めながら奪われたボールをたった一本のパスで前線につながれ、最後は韓国DFを振り切ったハッサンにまたしても決められてしまう有様。韓国ディフェンスの脆さが浮き彫りになったシーンだった。
「守備に関しては、チームとして練習できる時間が少なく組織力を高めることができていないことも原因だが、今日に関しては体力的な低下や選手たちの慢心も失点の要因になったのではないかと思う。試合内容には満足しているが、勝ち点3を得られなかったことはとても残念だ」
そう語りながら記者会見を終わらせた許丁茂監督。その口調は淡々としていたが、表情は明らかに紅潮しているように見えた。ホームで喫した、まさかのドロー。その雪辱を晴らすために、今度は韓国が敵地に向かってヨルダン代表と戦う。
取材・文=慎 武宏【KFA公式サイトより】
(2008.6.2)